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「銀河鉄道の父」の原作小説は実話?不遇の宮沢賢治をささえた父の愛

2023年5月5日、映画「銀河鉄道の父」が公開されます。

銀河鉄道の父はもともと書籍で、2018年には直木賞を受賞しました。

この作品が、役所広司さんと菅田将暉さんら豪華俳優陣で実写化されることになりました!

とても深い愛情を感じる作品なので、ぜひ本と映画の両方でお楽しみください。

この記事では公開に先立ち、「銀河鉄道の父」の原作やあらすじ、主要キャストや見どころを紹介していきます。

 

原作とあらすじ

舞台は1896年月。岩手県花巻の質屋に、一人の男の子が誕生しました。

男の子の名前は賢治と名付けられます。この男の子が後の偉大な作家・宮沢賢治となる人です。

賢治は6歳の時、赤痢にかかって入院することになります。

家族は猛反対したものの、父親の政次郎は病院に泊まり込みで賢治の看病をしに行きます。

しかし賢治が退院後、今度は政次郎が腸カタルにかかって入院することに…。

固形物が食べられない体になってしまいました。

賢治は小学生の時成績は優秀でしたが、悪ガキどもと遊ぶようなワンパク少年でした。

小学校4年生になると、賢治は妹のトシと石集めに夢中になります。

政次郎はあきれながらも、岩手の地質学の勉強を賢治に教えてあげます。

集めた石を収納するための箱を与えるなど、相変わらず愛情をたっぷり注いでいました。

賢治はいたずらっ子でしたが、成績だけはすべて優秀でした。

そのため賢治は中学への進学を希望しますが、祖父が許しません。
ですが、政次郎は賢治の意見を尊重し、中学校に入学させてあげます。

政次郎は厳格な父であるつもりが、いつもついつい賢治を甘やかしてしまいます。

やがて、妹のトシが病気になり、賢治は筆をとります…。

銀河鉄道の父は、息子の才能を信じ、時には厳しく、時には大いに甘やかしながらわが子の成長を見守った父・宮沢政次郎の物語です。

父目線で描かれており、わが子に深い愛情を注ぐ政次郎の気持ちがより伝わってきます。最後は父の深い愛情に涙してしまうでしょう。

 

主要キャスト

一度決めたことは曲げない頑固者の賢治役を菅田将暉さんが、そのどうしようもない息子を大きな愛で包みこむ政次郎役を、役所広司さんが演じます。

今までありそうでなかった俳優の組み合わせ!

「銀河鉄道の父」はこれ以上ないキャスティングといってもいいでしょう。

長男・賢治を菅田将暉さん、妹のトシを森七菜さんが演じます。

母親のイチは坂井真紀さん、厳しい祖父約は田中泯さんが演じます。

●見どころ

見どころはやはり、父の子に注ぐ愛情の深さです。

狂おしいくらい父親としての愛情を感じます。

その姿を役所広司さんが熱演しています。

当時は厳しい家父長制の時代でした。

そんな時代に、家族の反対を押し切って泊まり込みで看病するとか、息子に学問の道に進ませてあげるとか、いってみれば型破りな父親だったわけです。

それもすべて自分の愛する子供を信じ、尊重していたからです。

ちなみにこの話は実話をもとにしています。

宮沢家がどんな状況だったかリアルに描かれているのも見どころです。

例えば宮沢賢治が子供時代、秀才ながらも、読書より悪ガキたちと遊んでいたのは意外です。

大人になっても定職に就かずにお金の無心ばかりするドラ息子だったのもギャップがありますね。

なかなかの衝撃を受けるでしょう。

宮沢賢治といえば、執筆活動にいそしんでいるイメージが強いと思います。

しかしそんな賢治の背景には、人間味溢れるところもあったわけです。

宮沢賢治も人間だったんだな~と。

賢治を「しょうがない奴だ」と言いながらも、無心されたらお金を与えてしまう政次郎。

裕福だったからこそできたのでしょうが、それにしても親バカすぎます。

とにかく賢治に振り回され過ぎ!

ですが、ここがポイントなんです。

こんなふうに甘やかしながらもわが子を信じていたからこそ、現代の私たちは宮沢賢治の作品に触れることができるのです。

宮沢賢治が生み出した優れた作品の数々は、父・政次郎がいなかったらこの世に誕生していなかったかもしれません。

それくらい、政次郎の存在や影響は大きかったのでしょう。

今現在育児をしている方にとっては、「子育て」という観点から見てみるのも楽しいと思います。

「銀河鉄道の父」は、宮沢賢治とその父である政次郎の親子愛を感じる素敵な映画です。

役所浩二さんと菅田将暉さんという豪華すぎるキャストも見どころの一つです。

特に菅田将暉さんは毎回役作りが徹底していることでも有名です。

今回はどのように役作りをし、宮沢賢治を仕上げるのでしょうか。

とても楽しみですね!

 

まとめ

「銀河鉄道の父」は、原作を実写化した宮沢賢治の父の物語です。

リアルな話を土台としているので、宮沢家の実情もわかるでしょう。

宮沢賢治が小説を書くに至るまでの過程もわかるため、ちょっとした歴史も学べます。

子供たちに狂おしいほど愛情を注いだ父・政次郎の物語を、ぜひ劇場でご覧ください!