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木村拓哉が冷酷な教官役が似合う理由はなぜ?過去の主演作から考察

これまでさまざまな役を演じてきた木村拓哉さんが、今注目されているのが警察ドラマ「教場」での教官役です。

木村拓哉さんが演じる教官役はどんなものかということですが、これが予想外に木村さんにフィットし、冷酷な教官役は違和感なく説得力があります。

正統的なヒーロー役が多い木村拓哉さんですが、彼の過去の出演作品を考慮すると、冷酷な役を演じるのはどちらかというと珍しいです。

「教場」では、木村拓哉さんはいってみればアンチヒーローです。

これまで正統派ヒーローを多く演じてきた木村拓哉さんだけに、アンチヒーローは似合わないはずと予想していたファンもいたのでは?

正統派ヒーローのイメージが強い木村拓哉さんですが、冷酷な教官役まで似合ってしまうのはなぜでしょうか?

過去の主演作も参考にしながら考察していきます。

 

教場の教官の人物像

木村拓哉さんが演じる教場の教官 風間公親の人物像は、神奈川県警本部捜査一課強行犯係の刑事指導官です。

若手刑事を育成するために、実際の殺人事件の捜査を通してスキルを学ばせる育成システムに携わっています。

風間公親と組んだ若手刑事は、殺人事件の現場で挑戦的な容疑者や完全犯罪を目論む犯人と向き合い、事件捜査の基本を学び、叩き込まれていきます。

風間公親は真相を早く見抜きながらも、後輩刑事に自分で考えさせることで、事件を解決に導いていきます。

50代で白髪があり、風間公親は右目の義眼を持っています。

これは捜査中に何者かに襲われた傷跡が原因で、焦点の定まらない目をしています。

風間公親は観察力に優れ、後輩刑事が抱える秘密やトラブルを見抜いていきます。

 

木村拓哉が冷酷な教官役が似合う理由

なぜ木村拓哉さんは、意外にも冷酷な教官役が似合ってしまうのでしょうか。

お忘れかもしれませんが、例えば、「空から降る一億の星」で演じた片瀬涼役は、金目的で女性に近づき、邪魔な人物は宮下由紀(柴咲コウさん)や西原美羽(井川遥さん)を利用して処理させる最低な人物として描かれなていました。

にも関わらず、不思議な魅力を放っていたのです。

過酷な過去の記憶が残る彼の戸惑いや、「好き」という感情が理解できない彼の心情、時折見せる人間らしい感情などを表現することで、憎めないキャラクターになっていきました。

悪役は嫌われがちですが、木村拓哉さんの場合は「ただのダークな人物」として嫌悪されず、「ダークだけどヒーローかもしれない」という印象を与えました。

同様に、「眠れる森」で演じた伊藤直季役も、ヒロインの大庭実那子(中山美穂さん)に高圧的な態度で接し、ストーカーのように現れて怖がらせます。

婚約者との仲を引き裂こうとするなど、「悪い」「怖い」という印象を与えていました。

しかし、その印象は演技が自然だったこともあり、わずかに見せる優しさが引き立ち、やはり「ダークだけどヒーローかもしれない」という印象を与えたのです。

 

過去の主演作から考察

演じる職業こそ違っても、木村拓哉さんが演じる役は正統派ヒーローが基本でした。

ただ、各局の期待に応えるべく、この役割を担い続けてきたことが、「何を演じてもキムタク」と言われがちな状態を招いていました。

とはいえ、 木村拓哉が冷酷な教官役が似合う理由については、彼の過去の主演作品からも考察できます。

木村拓哉さんには1997年の「ギフト」、1998年の「眠れる森」、2002年の「空から降る一億の星」で、視聴者に「悪い」「怖い」と思わせるダークヒーローを演じた時期があったのです。

これらの演技は業界内やドラマファンから高く評価され、「何を演じてもキムタク」ではなく、一人の俳優・木村拓哉の真骨頂ではないかという評価もあったくらいです。

ちなみに、これらの3作品においてアンチヒーロー・木村拓哉のキーマンとなったのは、中江功監督です。

中江監督は「教場」シリーズでも演出・プロデューサーも務めました。

この関係は、最新作「風間公親 教場0」でも継続しており、木村拓哉さんが演じるアンチヒーローは、中江監督との関係も深いことが伺えます。

このつながりは、「空から降る一億の星」が3月17日~4月3日まで再放送され、その直後に「眠れる森」の再放送が開始されたことからもわかります。

さらに、「教場」「教場Ⅱ 前・後編」も4月1日、5日、6日に再放送され、「風間公親 教場0」の開始につながっています。

バタフライナイフを使った演出が物議を醸した「ギフト」は再放送されませんでしたが、フジテレビは「風間公親 教場0」の開始に向け、「アンチヒーローの木村拓哉」を強くアピールしていることが分かります。

また、「HERO」では法律家の久利生公平役を演じています。

このドラマの中で、木村拓哉さんの演技はクールで冷静沈着なイメージが強く、的確な判断力や冷静な思考力を持ったキャラクター像が描かれています。

「プライド」では、プロのアイスホッケー選手・ハル役を演じています。この時の役柄も、非常にクールで冷静な印象があります。

さらに、「華麗なる一族」では万俵鉄平役を演じていますが、彼の演技は洗練された印象で、冷静な表情とともに内面の葛藤や情熱をうまく表現しています。

これらの役柄から、木村拓哉さんはクールで冷静沈着なイメージが強く、的確な判断力や冷静な思考力を持ったキャラクターを演じるのが得意といえます。

このため、冷酷な教官役を演じても違和感がないのでしょう。冷酷な教官役を自然に演じ、観客の心に強い印象を与えるのではないでしょうか。

 

まとめ

木村拓哉さんはヒーロー役が多いイメージですが、実は「空から降る一億の星」や「眠れる森」などではダークな役柄を演じてきた経験があります。

また、これまで木村さん演じてきた数々の役柄から、その冷静沈着な演技力が冷徹な教官役に違和感なくフィットしています。

「HERO」での検事役や「A LIFE~愛しき人~」での医師役など、これまでのキャリアの中で様々な職業を演じてきたことも、役に対する幅広い演技力を持つことに繋がっているはずです。

木村拓哉さんが冷酷な教官役に適している理由は、過去のダークな役柄での演技力やキャリアの中で、様々な職業を演じてきたことが挙げられます。

そして50歳という年齢で、「かっこよさ」から脱却した木村さんは白髪で冷酷な教官として新境地を開いています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。