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2022今年の漢字は「戦」!その理由と歴代の今年の漢字一覧をご紹介

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年末の風物詩、今年の漢字が発表されました。

2022年の今年の漢字は「戦」です。

「戦」は応募最多で今年の世相を反映し、選ばれた理由も発表されています。

今年はウクライナ侵攻という武力戦があり、「戦」はそこに結びつきますが、広義の戦はもう少し幅の広い状態を意味しています。

「戦」が選ばれた理由と世相が感じる戦がどのレベルにあるかを考察しましたので、一緒に見ていきましょう。

 

今年の漢字は「戦」

12月12日、今年の世相を漢字一字で表す「今年の漢字」が京都の清水寺で発表され「戦」の文字が選ばれました。

清水寺の森清範貫主が縦約1.5メートル、横約1.3メートルの和紙に、特大の筆で力強く揮毫しました。

「今年の漢字」は、日本漢字能力検定協会がその年の世相を表す漢字ひと文字を一般から募集し最も多かった字が選ばれますが、「戦」は応募総数22万3,768票から最多得票となる1万804票を集めました。

この「戦」が選ばれたのは、アメリカの同時多発テロ事件があった2001年以来で2回目となります。

 

戦の理由

「戦」が選ばれた理由と、「戦」は広い意味では武力戦だけではないので世相がどのレベルの戦を認識した結果なのかも考察していきます。

 

戦が選ばれた理由は?

協会によると「戦」が選ばれた理由は次のとおりです。

① 今年2月から始まったウクライナ侵攻、北朝鮮の相次ぐミサイル発射などにより「戦争」(武力戦)を強く意識した年でありました。 多くの国民が「戦争」への恐怖や不安を感じ、日本の近隣で有事が現実化しつつあると緊張感を持つ人も多くいます。

② 急激な円安による物価高、液化天然ガスの輸入価格高騰による電気料の高騰、長期化し収束が見えないコロナ感染症など、日常生活の中で起きている「戦い」は終わりの見えない長期戦・持久戦の様相を呈しています。

③ 日本代表がサッカーワールドカップで強豪国を破る活躍を見せ、北京冬季五輪では冬季最多のメダルを獲得し、日本勢の「熱戦」が繰り広げられました。

①は戦争(武力戦)、②は生活の戦、③はスポーツの戦となっています。

③は健全で前向きな熱戦・熱狂ですが、①と②は生命や生活に関わる切実な「戦い」の中に身を置いていると認識する国民の多さを実感します。

 

どのレベルの戦なのか?

広い意味での「戦争」は、武力戦だけではありません。

平和時でも、武力を使わない戦争状態はあります。

狭義の戦争は武力戦。(略)
平和とは、武力戦が行われていない状態であり、武力戦以外の政治戦、外交戦、経済戦、思想戦、心理戦などが行われている状態。

  (出典:「現代語訳 孫子」杉之尾宜生)

戦乱の絶えなかった中国大陸では、孫子の時代から平時(平和時)の武力が行使されていない状態でも戦争状態(政治戦、外交戦、経済戦など)はあるとの認識があります。

一方、日本は武力戦が戦争状態であり、そこに至らない状態は平和との認識です。

中国と日本では「戦」の認識が大きく違います。

では、どうして今年の世相で「戦」が強く認識されたのでしょうか?

これまでも物価高はありましたが、これを「戦」と感じることは少なかったと思います。

同じく、従来のインフルエンザの流行を「戦」と認識する方も少なかったはずです。

私の考えを言うと、世相が「戦」と認識しているのは「戦のレベル」が上がっているからだと思います。

つまり、身の回りに起きていることが生命や生活に対して危険度や緊張度が高く、平和状態から離れ武力戦レベルに近いと認識しているからです。

この緊張状態はもうしばらく続きそうです。

 

歴代の今年の漢字一覧

過去10年の今年の漢字を一覧にしました。

世相の移り変わりが良く分かります。

2012年 ロンドンオリンピックで過去最多のメダル獲得
2013年 2020年東京オリンピックの誘致成功
2014年 消費税の引き上げ
2015年 安保関連法案の与野党対立や国会デモ
2016年 リオオリンピックで多くの金メダル獲得
2017年 北朝鮮による核実験
2018年 西日本豪雨などの自然災害
2019年 新元号の令和
2020年 コロナ渦による三密(密閉、密集、密接)
2021年 東京オリンピックで過去最多金メダル獲得

こう見るとオリンピック関連が多く、安全保障、災害が世相を反映しています。

過去10年は危機感や緊張感があっても平和時の意識の範囲内にいることが分かります。

 

まとめ

今年の漢字に「戦」が選ばれましたが、その理由を考察すると日本人の認識に大きな変化があったことが分かります。

日本人は武力戦がない状態を「平和」と認識しています。

日本で武力戦が勃発したわけではないのですが、ウクライナの武力戦、日本の近隣で起こるかもしれない有事、生活を追い込む物価高の経済戦、コロナ渦の疫病戦が常態化しています。

つまり、私たちは平和な日常生活を送りながらも、生命が脅かされる危険度と共存しており「戦」と認識せざるを得ない状態になっています。

この「戦」のコントロールは国家や政府が主体となって対応すべきものですが、私たち一人ひとりも不安を煽り立てず落ち着いて冷静に生活することで、心理的な「戦」のレベルを下げることができると思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。