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永遠の0ドラマの評価や感想は?批判の声や感動する名シーンもご紹介

永遠の0ドラマ
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8月のお盆の時期になると、毎年のように見ているドラマがあります。

「永遠の0」です(主人公:宮部久蔵を演じるのは向井理さん)。

永遠の0は小説が原作で、映画、ドラマが製作されました。

映画が2時間20分に対してドラマは7時間超ですが、その分小説の世界を丁寧に描けています。

今回はAmazon Prime Videoのカスタマーレビューから評価や感想を探り、平均評価はどのくらいか、感想も高い評価と低い評価からそれぞれ数件ご紹介していきます。

戦争作品になりますので、視聴者の思想や立ち位置で評価や感想は大きく分かれます。

作品に対する批判の声も少数ながらあり、そこは本質を突いた批判の声となっています。

その批判に対しては、この作品「永遠の0ドラマ」を集約するシーンがあり、後半で感動する名シーンとしてご紹介します。

この「感動する名シーン」から何か感じるもの、伝わるものがあると思います。

 

永遠の0ドラマの評価や感想は?

まず、永遠の0はどのような物語かをざっと見て、その後に評価や感想を見ていきましょう。

 

永遠の0はどのような物語か

司法浪人生の佐伯健太郎と、フリーライターである姉の慶子は、祖母・松乃が亡くなったとき祖父・大石賢一郎から自分は実の祖父ではないことを告げられます。

厚労省や戦友会に問い合わせたところ、実の祖父は宮部久蔵であり、宮部は神風特攻隊として終戦間際に南西諸島沖で戦死したとの事実が判明します。

慶子は新聞社主宰の終戦60周年記念プロジェクトのアシスタントを依頼され、実の祖父について手がかりを探り、存命である関係者を訪ね取材を重ねます。

宮部久蔵を知る当時の戦友・同僚の証言は様々であり、

  • 「海軍一の臆病者」「命を惜しむ卑怯者」と蔑むもの、
  • 「優秀なパイロット」「凄腕の戦闘機乗り」と技量を認めるもの、
  • 「生き延びる努力をしろ」と命の大切さを教えたもの、

多くの証言のなかで浮かび上がってくる祖父の人物像。

宮部はただ自分の命が惜しい臆病者でも卑怯者でもなく、「妻と娘のため必ず生きて帰る」と約束し、優れた技量を駆使し全力で過酷な空中戦を戦い抜いた姿がはっきり現れます。

しかしながら同時に湧き上がる疑問、「妻と娘のため必ず生きて帰る」と妻に固く約束した祖父はなぜ自ら零戦に乗り、命を落としたのか。

そして特攻の当日、宮部は何を思い、何を決断して特攻に飛び立ったのか。

宮部久蔵と大石賢一郎はどのような関係にあったのか。

戦後60年を経て、語られなかった事実が明らかになります。

 

永遠の0ドラマの評価

Amazon Prime Videoのカスタマーレビューから評価や感想を探ってみたいと思います。

永遠の0は小説が原作であり、2013年に映画が公開され、2015年にドラマがテレビ放映されました。

ドラマと映画を比較して評価を見てみますと(2022.8月現在)、

ドラマ 映画
レビュー数 335件 2,700件
平均評価(最高5) 4.5 4.6
最高評価5の割合 73% 75%

ドラマも映画も視聴者の評価は高くレベルも同程度ですが、レビュー数が大きく違います。

映画は2時間20分ですが、ドラマは3夜に分かれ合計で7時間を超えます。

長時間の視聴になるためドラマが敬遠されている感もありますが、私は映画よりもドラマを高く評価しています。

登場人物が生き生きと描かれ、原作である小説の世界観や雰囲気を丁寧に映像化しており、もっと視聴されてよいと考えています。

 

永遠の0ドラマの感想

同じくAmazon Prime Videoのカスタマーレビューから、高評価・低評価に分けて感想を見てみましょう。

 

高評価の感想

永遠の0ドラマ版は、主人公はじめ登場人物を丁寧に描いている点、戦争の悲惨さ、人命軽視の作戦を敢行する国家の非情さもきちんと描いた点を高く評価する意見が多く見られます。

宮部久蔵を演じた向井理さんの演技を高く評価する声も多くあります。

涙なしではみられません。
今の日本の平和は、先人の尊い犠牲の元成り立っている事を改めて認識できた作品です。
これからも平和がつづき、戦争が起きないように、何をしなくてはいけないかを考えないといけません。
9条があるから戦争が起きないという思い込みでなく、現実路線で考えていきたいですね。

映画版の「永遠の0」よりドラマ版のほうが、ヒューマンドラマを深く掘り下げ丁寧に作られていたと感じた。映画は戦闘機のシーンは迫力があったけど最後まで泣けなかった。
向井理版のドラマは3夜あり、2夜、3夜と観ているうちにジワジワと心に染み入ってきた。最後の特攻に至るまでの葛藤しているシーンは涙が溢れて止まらなかった。
元予備士官の大手企業会長と新聞記者が激論するシーンもよくぞ放送してくれました。あのシーンがあったからこそ最後の特攻の時の宮部久蔵がどれだけ苦しんで出撃したか想像がついた。
映画版では描かれていない原作のシーンも多く盛り込まれており、素晴らしい作品になっています。

原作に忠実で、感動は原作以上で心を揺さぶられ何年かぶりに涙し、戦争に対して真剣に考えると言うメッセージを映画よりも原作よりも何倍もドラマ「永遠の0」で受け取りました。
弱い宮部、卑怯な宮部、操縦の上手い宮部、人命軽視の零戦を嘆く宮部、男らしい宮部、家族を大切に思う宮部、仲間や教え子に命の大切さを説く宮部等、様々な宮部像が重なって人物像が浮き彫りにされ、戦争の悲惨さ残酷さ、人の命の尊さ、人間としての葛藤、当時の愛情というものが描かれていました。
また宮部を取り巻く戦友・練習生も丁寧に描かれ、戦争をあおったマスコミへの批判、人命軽視の軍部首脳についても鋭く言及し、戦時中の人々の苦しみ痛みを描いていました。
主人公宮部を演じた向井理が特によかった!これは永遠のゼロという作品を小説、映画、ドラマで見た者として断言できる。

 

低評価の感想

映画、ドラマという区分でなく「永遠の0」という作品への低評価が目立ちます。

戦争美化、特攻美化、戦争の事実を踏まえない「お涙頂戴」ドラマ。

このドラマが現実の戦争の醜さ・悲惨さを前線以外の部分で十分に映像化できていない指摘は、その通りだと思います。

また、この作品はドラマであって(つまり脚色がある創作物であって)、史実は主題に必要なところを描いており、戦争の全体像を十分に正確に描いたものではない点は注意すべきです。

全てが美化された戦争ドラマでした。
戦争の酷さが伝わらず、ゲーム感覚のような軽い気持ちが伝わってきた。
戦争を題材にするなら、戦争を繰り返していけないと言うのは誰もが思っている事です。
本当に戦争の悲惨さを伝えるなら前線も大事だけど、戦後の引き揚げ、戦争孤児、戦後のシングルマザーの実態も全て正確に伝えるべきです。

一般の人が見て「ああ、いい物語だなぁ」って思うのは勝手だけど、このドラマを「太平洋戦争の悲惨さを伝える史実」のような扱いをするのは許せない。
単なる『特攻を題材にしたお涙ちょうだい』のレベルです。戦闘機のパイロットは当然志願して職業軍人になってるので、宮部のような考え方をする人間が職業軍人を志願するわけがない。
戦争を知らない人がこれを見て勝手に感動するのは結構。そういう人は騙されてるって気が付かないかわいそうな人だと思う。
本当に戦争を知っている人や真面目に歴史を勉強をした人には失礼極まりない内容だと思います。戦後70年経って戦争の記憶が薄れつつある現在、こんなドラマや映画は作っちゃダメだよね。

原作を読み、そして映画版とドラマ版を観ました。
原作を読んだときに「お涙頂戴」と「感動して下さい」と言った作者の意識を感じました。きつい言い方をさせて頂ければ、あの当時を生き、戦った人々に対する冒涜としか思えなかった原作でした。
そして敗戦後の物語ですが、はっきり言ってご都合主義。「感動して下さい的な物語」です。作者の見識を疑います。

 

永遠の0ドラマの批判の声や感動する名シーン

先述の高評価・低評価の感想を踏まえて、永遠の0ドラマへの「批判の声」を整理し、このドラマの主題を集約する「感動する名シーン」をご紹介したいと思います。

 

永遠の0ドラマの批判の声

先ほどの低評価の感想を整理して、「批判の声」を3点にまとめてみます。

  1. 戦争を美化し、特攻を美化している。
  2. 戦争の悲惨さを描けていない、商業的な「お涙頂戴」の作品で読者や視聴者をだましている。
  3. センチメンタルなだけの感傷作品で、戦争文学としての価値はない。

これについては、私はこう考えます。

①の「戦争美化、特攻美化」については、このドラマでは国家のため個人が命を強制的に捨てさせられる非情さをきちんと描いています。

特攻に出撃しない海軍将校が、零戦搭乗員達に犠牲を強いるシーンがありますが、これは特攻を正当化する描き方ではなく、否定的に描いています。

②については、太平洋戦争全般として見た戦争のむごさ・悲惨さを十分には描けていませんが、当時の若い零戦パイロットたちの「祖国を守りたい、家族を守りたい」という心情は丁寧に描けています。

虚偽の題材で読者や視聴者をだましてはいません。

③については、ある程度は当たっています。

わたしはこう考えています、永遠の0の主題は「祖国を守りたい、家族を守りたいと懸命に戦った若い零戦パイロットたちの思いを語り伝えること」。

太平洋戦争自体の史実の描き方に不十分な点があるとしても、零戦パイロットたちの思いは十分に読者や視聴者に伝わり、戦争文学としても後世に伝える水準に達していると思います。

 

永遠の0ドラマの感動シーン

印象的なシーンはいくつもありますが、感動するシーンを1つだけご紹介します。

このシーンは、「永遠の0」という作品の主題を象徴するものになっています。

ドラマ第3夜の終盤、宮部が特攻に出撃する直前にある予備士官の少尉と機体を交換します。

宮部が乗るはずの機体はエンジントラブルを抱えており、それに乗れば途中特攻を中止して引き返し、帰還できる可能性が高かったのです。

それなのに、エンジントラブルを見抜きながら宮部はその機体をその予備士官の少尉に譲ります、つまり生き残るチャンスを譲ってしまったのです。

機体を交換する直前、宮部は妻子の写真の裏にメモを走り書きし、機内にそれを残しました。

おそらく生き残るはずのその少尉へ写真とメモを託したことになります。

「生きて帰るという約束」、「妻と娘への思い」、そのすべてを断ち切ったとき、悲しみ、苦しみ、慟哭が激流のようにあふれ出し、それを自分のなかに必死で抑え込み、嗚咽を必死でこらえ、走り書きを残します。

短いシーンですが、向井理さんの演技は圧巻で何度見ても胸を打たれます。

宮部にとって「妻と娘のために生きて帰る」とはどういうことなのか、深く考えさせられます。

原作の小説も映画もこのシーンは具体的に描いていませんが、ドラマは行間を読む形で正面から映像化しています。

「永遠の0」の主題がこのシーンに集約されています。

ぜひ、ご覧いただきたいと思います。

 

まとめ

「永遠の0」ドラマは7時間を超える大作であり、映画版に比べてもかなり長いのですが、主人公である宮部久蔵や登場人物を丁寧に描き、見ごたえのあるヒューマンドラマになっています。

ドラマでは原作小説の世界観が映像化され、映画に比較しても印象的なシーン、感動的する名シーンが多く盛り込まれています。

評価や感想を見ていただいても、平均評価も高く、戦争の悲惨さや非情さ、若い零戦パイロットの「祖国を守りたい、家族を守りたい」という思いがよく伝わり感動したという感想も多く見られます。

一方で、低い評価のなかで「戦争美化、特攻美化」、「太平洋戦争の史実を描けていない」という、作品に対する本質的な批判の声もあります。

零戦パイロットの心情を肯定することが「特攻美化」を見られる原因かもしれませんが、私は一身を投げうって特攻した方々の心情を否定することはできません。

若い零戦パイロットの方々に対しては、感謝と敬意しかありません。

永遠の0ドラマを見た多くの視聴者も、私と似た感想を持ち評価をしたと思います。

批判の声に対しては、ご紹介した「感動する名シーン」をもって回答したいと思います。

「永遠の0」ドラマを集約するこのシーンから宮部久蔵のメッセージが伝わってくるはずです。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

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